【相談: 業績回復と資金繰りの安定】
相談事業者基本情報
●企 業 名 A社
●業 種 農産物生産加工
●所 在 地 非公開
●資 本 金 非公開
●創 業 2020年
●従 業 員 2人
【内容:月ごとに決算 EC 活用】
【回答】
A社は家族経営で、バジルの栽培・加工を中心に手がけている。化学肥料や除草剤は一切使わず、安全性にこだわった商品を提供しているが、経営はとても厳しい。
何より、社長が「税務署に申告するまで会社の業績はわからない」と平気で言ってしまう始末。最新の業績を把握することができない経理体制が創業以来続いていた。
まず、月次レベルで業績を管理するための会計ソフト導入や、売り上げ拡大や資金繰りの安定化に向けた経営改善計画の作成を提案した。
経営改善計画は、社長が作成したアクションプランをベースに練り上げた。ポイントは1. 月次決算体制を構築し、経営の合理化・スリム化を実践2. 金融機関からの借り入れや借り換えを中心に資金繰りを安定化3. ネット販売を強化し売り上げを拡大―の3点。
メインバンクも計画に理解を示し、借入金の借り換えや一本化に加え、新たに500万円を融資してくれるなど、充実した支援を受けることができた。
アクションプラン作成にあたり、社内でのディスカッションでは「販路を広げるべきだ」との意見が多数上がったとのこと。
そこでコロナ前に売り上げが拡大しつつあったネット通販に力を入れるため、大手ECサイトへの出店や自社のホーページから注文が受けられる仕組みを整えてきた。これらの戦略が奏功し、直近3カ月は前年比を上回る業績を達成している。
経営改善計画の作成に取り組むことで自社の現状を分析できた。強みや弱み、機会、脅威を把握することで課題を見いだし、その課題に向けたアクションプランを実行することで業績の回復と資金繰りの安定が実現できた。
今後の展望について、社長いわく「商品のラインアップを充実させながら生産管理を徹底する。受注から納品までに費やす時間をできるだけ短くし、コストロスを防ぐことで経営の効率化を図っていきたい」とのこと。
引き続き相談者に寄り添い、さらなる改善へのサポートを提案していきたい。
(県よろず支援拠点コーディネーター・平良豊)
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